トンカツ、唐揚げなどの揚げ物、サラダに付いているレモン。お店で見かけるけど、家では使わないから、知らないことがばかり。
国産レモンは、秋の終わりから冬が旬です。効能は、疲労回復、病気の予防です。まさに、寒い冬を元気に過ごすのに最適な果物です。
果皮には香り成分が含まれています。果皮で料理や飲み物に、レモンのさわやかな香りを生かすことができます。ただし、果皮を利用する前には、念のため水や塩でよく洗いましょう。
国産レモンの旬は冬
レモンは、寒さに弱いので、暖かい中国地方、四国地方や九州などの関西で生産されています。とくに、広島、愛媛、和歌山などで栽培されています。
国産レモンの収穫時期は、10月頃から翌3月頃。収穫時期が過ぎても貯蔵したものが6月頃まで出回ります。
10月から12月頃に収穫されるレモンは、果皮が緑色をしているグリーンレモン。黄色いレモンにくらべると、果汁は香りや酸味が強く、果皮には青々しいさわやかさと苦みがあります。輸入のレモンは、出荷されてから店頭に並ぶまでに色づいてしまいます。つまり、緑色のグリーンレモンは、新鮮な証拠なのです。
12月以降からは、熟れて果皮が黄色に変わった、おなじみの黄色いレモンになります。果肉はみずみずしく、果汁も多くなり、果皮の苦みが少なくなります。
レモンの栄養素と効能
レモンに含まれる栄養素は、ビタミンC、クエン酸、エリオシトリン、ナリンギン、食物繊維、香り成分が含まれます。これらは、主に生活習慣病や風邪の予防、疲労回復に効果があります。冬が旬のレモンで健康に過ごせます。
果肉・果汁には、ビタミンC・クエン酸・食物繊維(水溶性)
果皮には、エリオシトリン・食物繊維・香り成分
ワタ(果肉と皮の間の白い部分)には、ナリンギン、食物繊維
が含まれます。
ビタミンC
レモン1個に約100mgが含まれます。抗酸化作用で老化、心臓血管系の疾病、生活習慣病の予防。
クエン酸
酸味の主成分。疲労回復。
エリオシトリン
ポリフェノールの一種。黄色の色素で、抗酸化作用があり、コレステロール値を下げる効果が期待できる。
ナリンギン
ポリフェノールの一種。苦み成分。抗酸化作用があり、生活習慣病の予防。
食物繊維
果汁には水溶性、果皮には不溶性が多く含まれる。整腸作用があり、生活習慣病や大腸がんの予防にも効果的。
香り成分
果皮の粒に含まれる。リラックス効果がある。
レモンの洗い方、防カビ剤と農薬について
防カビ剤も農薬も、健康被害が出ないよう定められていますが、念のために、よく洗いましょう。
輸入レモンは、数か月の船便で輸入されるので、防カビ剤が多く使われると考えられます。厚生労働省では、食品添加物として扱い、健康被害のリスクが極めて低い濃度まで下げる条件で使用を認めています。
国産レモンは、輸送にそこまで時間がかからないので、防カビ剤の使用は少ないと思われます。しかし、レモンは病気や害虫に弱いので、栽培中に殺菌剤や殺虫剤を使っている場合があります。農林水産省の農薬取締法が順守された果実であれば、健康被害を受けるリスクは低いと思われます。
それでも、果皮を料理で利用するから、気になることがあると思います。そんな方は、水で洗いながらたわしでこすり洗いしましょう。防カビ剤・農薬は水溶性のものが多いそうなので水で洗い流すことができます。そのほかにも、塩で野菜を洗う方法もあります。
塩洗い
乾いた手に小さじ1杯くらいの塩を取り、さっと濡らしたレモンに塩をこすりつけます。濡れている塩がレモンに付きやすいですが、水が多すぎると塩が溶けてしまうと効果がありません。ヘタや果皮に塩粒でこすりつけて、水でよく洗い流してください。
レモンの歴史
原産地はインド北部、ヒマラヤ山脈のふもとあたりだと言われているそうです。10世紀ごろシルクロードを通じて中東へ渡り、12世紀には南ヨーロッパへ。15世紀半ばから始まる大航海時代にアメリカへ伝わります。このとき、航海中にビタミンCが不足して起こる壊血病の特効薬として重宝されました。
日本には、19世紀の明治8年ごろにアメリカから伝わってきたという説があります。瀬戸内の温暖な気候がレモンに適していたため、明治31年、現在の広島県呉市で栽培が始まったという記録が残っています。
1985年あたりから生産量が急増します。食文化が欧米化したこと、輸入レモンに使われている防カビ剤が問題視されたことで、国産レモンの需要が高まったからです。
現在、国産レモンの生産量は8,000トンほど。これは、国内消費量の13%でまだまだ少ないです。
でも、無農薬・減農薬レモンの生産が増えています。ハウス栽培で旬の時季以外でもレモンが出荷されています。安心できる国産レモンの生産が増えてほしいです。
まとめ
レモンは、疲労回復、病気の予防ができる果物。国産のレモンは、意外にも冬が旬。寒い冬を乗り切る最適な果物です。
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