年末年始、お盆休みでは、兄弟親戚と日本酒を飲む。けど、味音痴な私は、美味しいか、美味しくないかしか分からない。香り⁉甘口⁉辛口⁉なんのこと?
日本酒の味は、銘柄、米、精米歩合、水、搾り方、酵母、火入れなどなどで変わるそう・・・
でも、米の種類が一番影響するんじゃないかなというのが個人的な意見。
お酒を飲み比べるポイント9つを使いながら、好みの日本酒を見つけてみたい。
日本酒の銘柄
純米酒タイプ 米・米麴だけ使用。 | 精米 歩合 | 本醸造タイプ 米・米麹・醸造アルコール使用。 | |
吟醸酒 | 純米大吟醸酒 | 50%以下 | 大吟醸酒 |
純米吟醸酒 | 60%以下 | 吟醸酒 | |
特別純米酒 | 70%以下 | 特別本醸造酒 | |
純米酒 | 本醸造酒 |
純米酒は、米、米麹だけで作った日本酒。米の風味、旨味が強く、しっかりとした味。
本醸造酒は、米、米麹、醸造アルコールで作った日本酒。醸造アルコールの量は重量の10%未満なので、純米酒に近い風味を持ちながら、純米酒より淡麗ですっきりした味。
吟醸酒は、精米歩合60%未満の米を、低温でゆっくり醸造した日本酒。果物のような香りとマイルドな味が特徴。
選ぶときの注目ポイント
米の種類
日本酒を作るのに適している米を酒造好適米という。酒造好適米は、数多く栽培されている。米の種類だけで味が決まるわけではないけれど、深い味わいのお酒になりやすい晩稲(おくて)タイプ、淡麗で爽やかなお酒になりやすい早稲(わせ)タイプがある。
晩稲タイプ
水分が多い米で、深みのある味になりやすい。代表的な品種は、山田錦(やまだにしき)と雄町(おまち)。
お酒になると、「山田錦」は奥行きのある豊潤な味わい、「雄町」は酸味と甘みがはっきりと出やすい。
早稲タイプ
やや硬い米で、淡麗で爽やかな味になりやすい。代表的な品種は、五百万石(ごひゃくまんごく)、美山錦(みやまにしき)。
お酒になると、「五百万石」は淡麗辛口、「美山錦」は軽くてすっきりした味わい。
精米歩合
精米歩合は、玄米を削った割合のこと。数値が大きいほど、玄米が削られて小さくなったことを表しています。
米の表面部分には、タンパク質、ビタミンなど含まれている。精米歩合が低い米でお酒を作ると、米自体の特徴やうまみが出やすい。
米の中心部分は、純粋なでんぷん質。精米歩合が高い米でお酒を作ると、雑味が少ないすっきりとした味になる。
水
日本酒を作るには、たくさんの水を使う。水には、ミネラル分や塩類も含まれている。その量が多いか少ないかで軟水、硬水に分けられている。
軟水で日本酒を作ると、口当たりがやわらかい、まろやかな酒になりやすい。
硬水で日本酒を作ると、すっきりした辛口の力強い酒になりやすい。
酵母
日本酒を作る工程は、①米麹の酵素がデンプンをブドウ糖に分解する糖化、②酵母がブドウ糖をエタノールに変化させるアルコール発酵の2つ。酵母は、アルコール発酵のとき代謝産物(アミノ酸や香気成分)を作る。これがお酒の香りや味の違いになる。どのような代謝産物が作られるのかは、酵母によって個性がある。
日本醸造協会による「きょうかい酵母」の代表例
6号酵母は、穏やかな香りだけど深い味になりやすい。
7号酵母は、穏やかだけどコクがある味になりやすい。
9号酵母は、果実のような華やかな香りが出やすい。
14号酵母は、9号酵母よりも酸が少なく、甘い果実のような香りが出やすい。
酒母(もと)
酒母は、アルコール発酵の前に酵母を大量に増殖させたもの。酒母は、酵母以外の雑菌が繁殖しないよう乳酸で酸性にする必要がある。その乳酸の取り込み方によって、酒母には「生もと」系と「速醸」系がある。
生もと(きもと)系
生もとは、自然界に存在する乳酸を取り込んで酵母を育てる、伝統的な方法。手間も時間もかかるのが、酵母だけでなく微生物のはたらきにより、複雑な味わいのお酒を作ることができるので、近年注目されてきているそうだ。また、酒母を作るときに一番手間のかかる米をすりつぶす作業(山卸し)を廃止した「山廃もと」という方法もある。
生もと仕込みの日本酒は、旨味・酸味があり、深い味わいになりやすい。
山廃もと仕込みの日本酒は、生もと仕込み同様な味わいで、酸味が利いた味わいになりやすい。
速醸系
乳酸そのものを入れて酒母を作る方法。酒母を早く作ることができるという利点があるので、現在の酒母造りの主流となっている。
速醸もと仕込みの日本酒は、香りが立ち、すっきりした味わいになりやすい。
上槽
米、米麹、水、酒母が混ざり合って発酵中の液体を「醪(もろみ)」という。上槽は、発酵が終わったあとに、もろみを搾ること。もろみを搾って最初に出てくるものを「あらばしり」、中頃に出てくるものを「中汲み」・「中取り」・「中垂れ」、少し圧力を加えて絞り出すものを「責め」という。搾らずに、もろみを入れた袋を吊るして、自然に滴る酒を集めた「袋吊り」がある。
あらばしりの日本酒は、うすく濁っており、少し炭酸ガスが残っていて、ほどよい酸味がある。味も香りも新鮮で華やか。
中汲みの日本酒は、最も香りも味も良い。バランスが良く、味わいが安定している。
責めの日本酒は、アルコール度数が高くなり、味に粗さが出る。そのため、この部分だけが製品化されることは少ない。
袋吊りの日本酒は、雑味の無い味。大吟醸などで使われる贅沢な搾り方。
ろ過
上槽が終わったお酒には、オリという細かい米粒が含まれている。「通常のろ過」は、静置してオリを下げてから、ろ過してきれいにする。ただ、オリには、旨味や香りもあり、独特の濃厚な風味がある。だから、オリを入れたままの「オリがらみ」、オリを下げたお酒をろ過しない「無ろ過」がある。
通常のろ過をした日本酒は、雑味が取り除かれ、色が無色透明に近づく。
無ろ過の日本酒は、ろ過をしたお酒よりも色も味も濃いことが多い。
オリがらみの日本酒は、炭酸ガスが含まれ、うっすらと白く濁っている。独特の濃厚な風味がある。
火入れ
火入れは、お酒の品質が変わらないように、加熱して酵素の働きを止めること。貯蔵前と瓶詰めで2回の火入れを一般的な方法、貯蔵前にだけ火入れをする「生詰酒」、瓶詰め前にだけ火入れをする「生貯蔵酒」、火入れを全くしない「生酒」がある。
生詰酒、生貯蔵酒は、もろみを搾ったときの風味を生かそうという工夫。
生酒は、新酒特有の新鮮な風味と香りがある。ただし、酒質は変化しやすいので、温度管理が必要。
熟成
搾りたての日本酒の新鮮な味わい・香りは魅力的。一方、日本酒を熟成させると、味わいに落ち着きが出る。
春は、前年秋から冬にかけて作った日本酒が出来上がる季節。新酒の他にものごり酒、オリがらみ、無ろ過生原酒も見られる。
秋は、春に搾った酒が熟成されて、落ち着いた味わいにまとまってくる。この時期に出てくるのが「ひやおろし」。
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